
葛は日本では長い間、優秀な食材として親しまれてきました。
現在最も使われているのは葛粉としてでしょうが、これは根っこをすり潰して粉にしたものですね。
しかし葛は根っこだけでは無く、茎もつるも花までも食べられちゃいます。
葛の花は見た目は華やかな感じがしますし、紫などの彩色も品があります。
この彩りを活かした食べ方がやはりおすすめですし、食卓に華を添えられますね。
では、どのような料理方法があるのかを紹介していきたいと思います。
・最もメジャーな食べ方「天ぷら」
生食にはあまり向きませんから、火を通して食べる調理法がほとんどになります。
天ぴらはただ揚げるだけなのでシンプルですし、美味しく頂けます。
なぜ葛の花の天ぷらがずっと支持されて来たのかと言うと、やはり季節にあると思われます。
葛は8月頃から咲き始めるのですが、こういった暑い時期には天ぷらは合っていますよね。
秋の七草として知られる葛ですが、旧暦は今の月の数え方とは1ヶ月ズレていますからそもそも夏に咲いているのも自然なことなんですよね。
夏場につるをまとってフジの花のような房を持ち、多くは紫系の色の花びらをしています。
花という食材はひらひらとして厚みが無いために、あっさりとした食感を持ちます。
天ぷらとして揚げればカリッとした見た目にもなりますし、サクサク食べられるのでオススメですね。
花自体にはあまりクセが無いので、特に料理にしにくいということでは無いですよ。
と言っても、味の印象がかなり薄いので味付けで工夫したり食感を楽しむことが大事です。
ですから天ぷらというのは、食感を楽しむための料理だと言えるでしょう。
天つゆには特にこだわる必要は無いですし、普通のものでも大丈夫です。
それこそ他の食材と一緒に盛り付けたりして、彩りで楽しむのが良いですね。
夏の花ですから、夏野菜と一緒に食べられることが昔から多かったと思います。
具体的に言えばカボチャやピーマン、ナスなどになりますね。
彩色的に考えるとこれにあと、エビなどの天ぷらで赤を演出してみると良いですね。
・もちろんかき揚げもオススメ
天ぷらのメリットとしては、簡単に作れる上に何でも美味しく仕上がることですね。
揚げることは、完璧に火を通しなおかつ衣で包むことで旨味を閉じ込めることが出来る便利な料理法です。
「かき揚げ」と言うと主に玉ねぎやニンジンがスタンダードですが、夏野菜の場合ですとカボチャやピーマンを加えると良いでしょう。
そこにとうもろこしや、そして葛の花を加えると豪華なかき揚げに仕上がります。
この場合は花を小さく切ることになりますが、そこまで細かく切らなくても大丈夫です。
葛の花自体の味はあまり感じないとは思いますが、花を加えることで上品さであったりカラフルに出来ますからね。
食感は天ぷらよりは柔らかくなりますし、花感が薄れるので誰でも抵抗感無く召し上がれるはずです。
・漬物も昔から人気
長年愛されてきた葛の花の食べ方には、天ぷらとそしてもう一つ「漬物」があります。
漬物もとてもシンプルですし、この場合は普通に塩で漬け込んでも美味しい味に仕上がります。
素材の味がほとんど無いということは、応用しやすいということなので便利ですね。
花の漬物は野菜ほどには一般的では無いですが、地域によってはとても親しみが深かったり祝いの場では好んで食べられたりします。
桜の花びらは塩漬けされることも多いですが、この葛の花も塩漬けは結構オススメです。
いざ漬物にしますと、鮮やかな色はそのままにサラッとした食感を楽しむことが出来ます。
ご飯と合わせても良いですし、そのままでも楽しめますね。
・おひたしもオススメ
菜の花のおひたしはとても有名で、食用のものは野菜に負けず劣らずの使いやすさと食べ応えがあります。
しかしそもそも野生のものと何ら変わらないもので、クセの少ない野草であればそのままおひたしにするのも良いですね。
葛の花はどれくらい茹でれば良いのかというと、崩れてしまうほど茹でるのは見た目的に良くないのでほんとに状態を見ながらですね。
柔らかくなったと思った時点で、速やかに出して仕上げていきましょう。
シンプルにかつお節を乗っけるだけでも良いでしょう。
味付けは甘めのものも合いますし、お好みで調整して良いですね。
葛の花は虫が付きやすく(特にカメムシなど)隠れやすいですから、茹でる前にしっかり確認しておいて下さい。
・まとめ
葛のメインはデンプンの多い根っこでしょうが、茎や葉や花でさえも美味しく頂ける優れものです。
特に花に至ってはイソフラボンと呼ばれる健康成分が、豊富に含まれることが分かってきました。
葛はマメ科なので、大豆などと同じように含まれているんですよね。
脂肪を減らす作用が実証されており、料理に使っていくことで健康的な体も目指していけるでしょう。
幸い葛の花は食べやすく調理しやすいので、今回紹介した天ぷらや漬物として楽しんで頂けたら、と感じています。